アジ類とは、スズキ目スズキ亜目のアジ科の魚類をさし、世界中で約30属150種と数多くの種類が分布しています。
日本でアジと言えば一般的に『マアジ』のことを指し、食卓やサビキ釣りなどでも人気の魚種ですね。
しかし、その他はどんなアジ科の魚が生息しているのでしょうか?
その多くはあまり知られていないように思います。
そこでこの記事では、日本に分布する代表的なアジ科の魚をまとめていますので、参考にしてみてください。
アジの種類まとめ 日本近海に分布する代表的なアジ科の魚
- マアジ属
- ムロアジ属
- シマアジ属
- メアジ属
- ブリ属
- カイワリ属
- ギンガメアジ属
- ヨロイアジ属
- イトヒキアジ属
日本近海では約23属56種のアジ科の魚類が分布しています。
中でも代表的なアジ科の魚をまとめています。
マアジ属
マアジ属 |
マアジ |
マアジ属の種類は、世界で14種分布しているようですが、日本で見られるのはマアジの1種類のみのようです。
なので、日本でアジと言えば一般的にはこのマアジのことを指します。
食べても味が良く、刺身やフライ、塩焼きなどどのような調理でも美味しく食べられるので、家庭の食卓でもおなじみでしょう。
成魚になると40㎝前後まで成長し、幼魚は『豆アジ』などと呼ばれ、サビキ釣りなど釣りのターゲットとしても人気があります。
⇒初心者でも釣果アップ!アジ釣りのポイント(釣り場)や時間帯
ムロアジ属
ムロアジ属 |
マルアジ、ムロアジ、モロ、クサヤムロ、オアカムロ、アカアジ |
ムロアジ属の魚は、世界中で12種分布しており、日本近海では7種が知られているようです。
中でも代表的なマルアジは、マアジと比較しても見た目が非常によく似ています。
マアジとマルアジの違いを見分けるには、尾びれの付け根にある『小離鰭(しょうりき)』と呼ばれる小さなヒレの有無、ゼイゴのカーブが見分けるポイントになります。
また、体の色にも多少の違いがあることから、マアジのことを『赤アジ』、マルアジのことを『青アジ』とも呼ばれています。
身質に関しては、マアジは白っぽくて締った身質、マルアジはやや黒ずんでいて水分が多く柔らかい身質という傾向があります。
これは、血合いの色や大きさが要因のようで、味は食べる時期にもよりますが一般的にマアジに軍配が上がるようですね。
シマアジ属
シマアジ属 |
シマアジ |
シマアジ属の魚は、世界中で4種分布していますが、日本近海でみられるのはシマアジの1種のみのようです。
市場に出回るほとんどが40㎝前後の養殖ものですが、それでもスーパーなどに並ぶことはほぼない高級魚です。
天然ものの数は少ないですが、70㎝前後のものが市場に出回ることもあり、大型になると120㎝を超えるものも確認されていますが、味は大型よりも小~中型の方が良いとされているため、ほどよいサイズの方が良い値段がつくようですね。
身は上質な白身で、刺身やお寿司で食べると絶品ですが、塩焼きや煮付けなど加熱調理しても身崩れしないので十分に美味しくいただけます。
メアジ属
メアジ属 |
メアジ |
メアジは、マルアジと同様にマアジと比較しても見た目が非常によく似ている魚で、30㎝前後の大きさまで成長します。
地域によって『銀アジ』などと呼ばれていますね。
メアジは、マアジに比べて目が大きくゼイゴのカーブが緩やかなのが見分けるポイントです。
メアジとマルアジは、尾びれの付け根にある『小離鰭(しょうりき)』と呼ばれる小さなヒレの有無で見分けることができます。
味は、一般的にマアジに比べてやや劣ると言われますが、新鮮であれば刺身で食べてもマアジに引けをとりません。
また、マアジ同様にどのような調理でも美味しく食べられるうえ、値段が比較的安価なのでコスパが高いのも魅力ですね。
ブリ属
ブリ属 |
ブリ、ヒラマサ、カンパチ、ヒレナガカンパチ |
ブリ属の魚は、世界中で9種分布しており、日本近海では4種が知られています。
どれも成魚になると1mを超える大きさにまで成長し、釣りのターゲットとしても人気が高いです。
一般的にブリ属3種と言えばブリ、ヒラマサ、カンパチのことで、刺身や寿司ネタとしても有名な高級魚で、養殖魚の刺身ではシマアジ>カンパチ>ブリの順位で値段が高いようです。
また、どの魚も刺身以外でも塩焼きや煮付けなど加熱調理しても美味しくいただけます。
カイワリ属
カイワリ属 |
カイワリ |
カイワリ属の魚は、世界中でも1種のみですが、21種が属するヨロイアジ属に分類するという見解もあるようです。
成魚になると、40cm前後の大きさになります。
あまりたくさんとれない魚なので、市場に出回ることが少なく知名度が低いですが、魚に詳しい人たちには味のいい魚として知られており、その味はシマアジにも匹敵すると言われています。
おすすめの食べ方は刺身ですが、マアジ同様に塩焼きやフライなどでも美味しくいただくことができます。
値段も比較的安価なので、市場で見かけた際は購入して食してみることをおすすめします。
また、地域によっては専門の釣り船が出るほど釣りのターゲットとしても人気があるようですね。
ギンガメアジ属
ギンガメアジ属 |
ギンガメアジ、カスミアジ、ロウニンアジ、オニヒラアジ |
金属メッキをしたよう体表から、釣り人の間ではギンガメアジ属の幼魚を総称して『メッキ』と呼ばれている種類の魚です。
ギンガメアジ属の中でも一般的なギンガメアジは、ルアー釣りやサビキ釣りなども親しまれています。
しかし、生息地域によっては『シガテラ毒』を持つ個体もあるので注意が必要です。
シガテラ毒は、どの魚が毒化しているか外見からは全く区別がつかず、毒化した魚を食べた魚も毒化し、食べると食中毒を引き起こします。
熱帯海域のサンゴ礁が発達する海域に住む、大型のギンガメアジ、カスミアジ、ロウニンアジ
には特に注意が必要です。
ヨロイアジ属
ヨロイアジ属 |
ヨロイアジ、ナンヨウカイワリ、ホシカイワリ、マルヒラアジ、クロヒラアジ |
ヨロイアジ属の魚は、アジ科のなかでも種類が多く、そのほぼ総てが食用で非常に美味なようです。
ですが、比較的大型なナンヨウカイワリなどは食用としての認知度も高いようですが、その他の小型種などは認知度も低くまとまってとれることが少ないので、廃棄されることも多いようですね。
イトヒキアジ属
イトヒキアジ属 |
イトヒキアジ、ウマヅラアジ |
イトヒキアジ属は、世界中では3種が分布していますが、日本では2種が知られているようです。
成魚になると、1mを超える大きさにまで成長するようですが、日本近海で獲れるのは幼魚や若魚が多く、成魚は多くないようです。
また、獲れる数が少ないからなのか、首都圏や関西の大きな市場ではあまり見かけず、ほとんど産地で消費されるローカルな種類の魚のようですね。